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NERA

2007. . 11
Trie Utamiに続き、元Krakatauという括りでもう一つ。すこし古いんですけど。
Gilang Ramadhan, Donny Suhendraと言えば、Krakatauがメジャーなフュージョンバンドとして人気の高かった頃のメンバーであり、Krakatau脱退後もポップスやロックを含む幅広い分野で活躍してきた重鎮ミュージシャン。特にGilang Ramadhanの活動は華々しく、90年代半ばにはIndra Lesmanaとのデュオでポップスターとしての地位を獲得したり、最近ではGodblessに加入、更にピンのミュージシャンとしてはYamahaドラムの代表エージェントを務めたりと、まさにインドネシアを代表するドラマーと言って良いでしょう。Donny Suhendraも地道ながらコンスタントな活動でジャズ~ブルース・ギタリストとしての名声を不動のものにしています。
その二人が2003年に結成したのがNERA。元々Gilang Ramadhanがフローレス出身のヴォーカリスト、Ivan Nestromanの声に惚れこんだのが発端だそうで、バンドのコンセプトもフローレス的なものを色濃く反映しています。他のメンバーは、ベースにAdi Dharmawan、キーボードにKrisna Prameswara(Discus)、と万全の布陣です。


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本題に入る前にまずはグループのキーワードであるフローレスについておさらい。
ウォーレス線の遥か向う、東ヌサテンガラ、フローレス諸島はポルトガル文化の影響が強く、言語もマンガライ語というポルトガル語に近い言語を用います。大航海時代ポルトガル人がモルッカをヨーロッパ向けに香辛料を送るための要衝として支配した影響で、キリスト教と自国の文化を有無を言わさず刷りこんだものが今だ色濃く影響を残すエリア。インドネシアと言えばステレオタイプなイメージとしてジャワ~バリ的なものを連想しがちですが、東部は生態系も含めて異質な文化を持っているんですね。

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NERA
Nera

Aquarius APC A 1001-2


で、NERAです。NERAとはマンガライ語で「光」の意味。 Ivan Nestromanという「ポルトガル的」人材を出発点とするが故、アルバム全体に漂うラテン的マッタリ感はやはり「なんとなくブラジル」風。勿論「これもインドネシア」なのですが、ガムランを積極的に用いた「西ジャワ的」な現行KRAKATAUとは好対象です。収録曲はゆったりとしたバラードから、軽快な疾走型エスノロック、ディストーションギターを用いたへヴィーブルースまでと多彩。しかしどの曲もトロピカルな爽快さとある種のけだるさを併せ持ち、決してダレたり耳に刺さったりしません。最後まで心地よく聴き通せます。ジャヴァンなんかがお好きな方には特にお薦めです。

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さて、楽曲の質・演奏力とも文句のないレベルのこの作品、僅かながら難点が。 きちんとしたミックスをする余裕が無かったのか、音づくりにバラつきがあり、演奏も一部雑なママだったりと、どーも最終仕上げがなされていないような雰囲気。もう少し丁寧に仕上げていれば、手放しで一線級のエスノフュージョンとして絶賛できるのに非常に惜しい。折角捨て曲が無いのに。
先日書いたTrie Utamiもそうでしたが、この手のミュージシャンを取り巻く状況は依然厳しい、ということなんでしょうか。

もう一つ、これは一目瞭然、パッケージデザインの酷さ。説明する必要もないほど凄いセンス(笑。てか、フローレス=コモドオオトカゲ+NERA(光)というこの安直さ、作品の魅力をスポイルするには充分すぎます。更にこのカバー、ブックレットになっていてそれもセンスの無い写真がテンコ盛り。はっきり言って相当萎えますよー。

そんなNeraですが、ホント、内容はかな~り良いです。なんつーか是非聴いていただきたい。

Samo Lime


Mori Sambe


こちらのPodcastでも。
http://www.equinoxdmd.com/2006/04/episode-9-gilang-ramadhan-from-nera.html
(曲は8分27秒目から。つかGilang Ramadhan喋り倒してますw)
それから下記経由でiTune Store。
http://www.equinoxdmd.com/nera/default.htm

ちなみにYockieも絶賛してますよ↓
http://www.kompas.com/gayahidup/news/0507/23/123203.htm

⇒スンダランドで試聴/購入
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最後にちょっと脱線ですが、前述の東部インドネシアに限らずインドネシア音楽へのポルトガル文化の影響が無視できないのはご存じの方も多いと思います。ショーロと同根のクロンチョンはその代表格ですね。他にもブラジル音楽との類似性を見いだされるケースはあるようで、拙BLOG的な飛躍をするとインドネシアン・プログレと南米プログレの類似性は度々言及されるところだし、現代ポップス、特にChrisyeの初期作についてもこんな指摘もあったりして意外とインドネシア人の感性に根深く浸透しているのかも知れません。この辺、掘り下げていくと面白いかも。

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