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GURUH GIPSY 「再発」に関する色々

2007. . 25
以前少し触れましたが、Guruh GipsyのアルバムがLP盤としてドイツのレーベルShadoksから再発されました。Guruh Gipsyについては以前から度々触れていますが、この「再発」は勿論のこと、昨年の映画への「登場」など話題としても旬であり、まとめも兼ねて書いてみたいと思います。


***

■音盤
まずは音盤としての感想。既に6年前に簡単に書いてますが、久しぶりに聴いたので改めて。
15分に及ぶオープニングはEL&Pやラッテ・エ・ミエーレを思わせる壮大なシンフォニックロック。それに続く童謡風の哀歌と幽玄なストリングス。ダウナーでアシッドなガムランロック。そしてクライマックスのGeger Gelgel。バンド演奏とガムランが織りなす荒々しい混沌の宇宙はバリ・ヒンドゥーの儀式の様でもあり何度聴いても圧巻。メディテーションズさんのサイトには「遺跡級」なるキャッチコピーがありますが、熱帯の密林から忽然と姿を表した巨大構築物の如き作風はまさにそんな言葉を連想させます。
アルバムは統一感を持ちながらも全く異なるタイプの楽曲で構成されており、断片はともかく全体的な印象はオパス・アヴァントラやアモンデュールIIに近い気もします。ロック的なダイナミズムにおいては英米欧のそれには一歩譲りますが、内容の濃さと特異な雰囲気がそうした弱点を充分補っていると言えるでしょう。 単純に「類型的プログレッシヴ・ロック」として括るには余りにも多様な要素を含み、逆にその意味では字義通り「プログレッシヴ」な作品とも言えそうです。

音質についてはカセット音源を元にしたと思われる為、劇的に良いわけではありませんが、そこそこ解像度もよく、鑑賞する上での支障は全くありません。 ジャケットはオリジナルのそれ(後述)が再現されているわけではなくあっさりしたものですが、ライナーとしてコンパスの記事(2004年5月28日)の英訳が封入されています。当該記事は背景解説やデータとしては申し分無いもので、これは良心的。ちなみにBLOG"sekifu"さんではライナーを全文和訳されているので興味がある方はこちらへどうぞ。 


***

■映画の中のGuruh Gipsy
以前のエントリーで触れましたが、東京国際映画祭でも上映された「GARASI」(邦題:ガレージ)。  さすがに「カメオ出演」とはなりませんでしたが、そのカセット音源は映画の中でストーリー上のキーアイテムとして使われています。以下その場面の再現。

バンドを脱退して落ち込むヒロインGaya。ワケあり母さんをジャカルタへ送り出した翌朝、何気なくラジオのスウィッチを入れると・・・

音声(評論家)「・・・バリ音楽の要素をプログレッシヴロックに取り込んだのです。」
音声(DJ)「ではGuruh Gipsyについて語ってみましょう。」

ラジオから流れ出すIndonesia Mahardikka。

「これ、アタシのGURUH GIPSYじゃん!」

大慌てでレコード屋に向かうGaya。彼女は入手困難なこのGuruh Gipsyのカセットを取り置きしてもらっていたのですが約束の日を3日も経過。 その頃取り置きしていたレコード屋では一人のマニアックな青年が予約期限切れのこのカセットを見つけ・・・・

で、Gayaはカセットを取り返すために青年のバンドに加入する、と言う無理のある展開。(笑)

またこのシーンではGuruh Gipsyのカセットの実物が出てきて、その特殊なパッケージをうかがうことができます。こちらの画像ではちょっと判り辛いのですがほぼA5サイズのブックレットにカセットが収まる樹脂のケースが付属していたのですね。また青年がカセットを入手する条件としてクイズを出されるのですが、この問題がオリジナルのブックレットに記された文言を当てる、というもの。 こうした微細に分け入ったマニアックなネタはGuruh GipsyのみならずBenyamin.S、Dara Puspitaと言ったウルトラ級のコレクターズアイテムにまで及びます。いや、これ音楽ライターのDenny SakrieAksara RecordsDavid Tarigan等、出演者や製作協力者に筋金入りのマニアを巻き込んだせいでしょう、はっきり言って遊びすぎです(笑)。わかるヒトにはめちゃくちゃ面白いんですけれどね。このあたりの事情についてはBlog「ダンドゥット列伝」さんにも熱く語られています。
①映画GARASIの中のベニャミン!その1
②映画GARASIの中のベニャミン!その2
③映画GARASIの中のダラプスピタ
 
またGarasiのオフィシャルサイトにもTributesとして上記3バンドの解説があります。
⇒tributes

因みに映画そのものは以前述べた様な「過去のミュージシャンと 現在のバンド小僧たちのミッシングリンク云々」とはならず、一インディーズバンドの成功と友情といった他愛の無い話になっています。ぶっちゃけ映画祭に出すほどのものか・・・とも思うのですが(笑)。
それから映画を見て判明した事がもう一つ。Guruh Gipsyの発音は「グル・ギプシー」なんですね。いままでさんざ「グルー・ジプシー」と書いてきましたが、今後はこれで行きたいと思います。


***

■ChrisyeとGuruh Gipsy
2月17日に発売されたChrisyeの本「Sebuah Memoar Musikal」にもGuruh Gipsyの事が約6ページにわたって触れられています。制作過程については件の記事と然程変わらないのですが、このプロジェクトがGuruhとKeenan、Gauri達によって以前から進められていた事、GuruhがChrisyeの声質に合う様何度もスコアを直した事等は些細ながらも非常に興味深いです。又Chrisye本人にとっては最初のレコーディングである事もさることながら、実験精神と込められた情熱、そして作品の完成度に只ならぬ思い入れがあるようで「輝かしい経験」「素晴らしい学校」であったと述べています。更には上記映画にも登場したオリジナル・ブックレットの一部も掲載され、資料としても一見の価値アリ。
この本についてはまた改めて紹介したいと思います。


***

■「再発」
以前も述べたように今回の「再発」は当事者によるものではありません。ですから再発の情報を得た時は正直戸惑いました。ただ色々な情報を得た結果、仮に評判になれば本国からの再発の可能性も高まると思い、ポジティヴ思考に変えた、というのが本音です。

まず前にも述べたように,本作の再発の動きは2001年に一度ありました。このときは結局Guruh Sukarnoputraが一人で「PT.Musika」にマスターを持ち込んだが、他の当事者との間で摩擦が起こり立ち消えになったと言うもの。Denny Sakrie氏が言っているので間違いないでしょう。
  で今般の「再発」ですが、発売元のShadoksは関係当事者の承諾を得ようと言う意思は持っていたようです。 リンク先の投稿によると、Shadoksはコピーライトの件でインドネシア側のコピーライトホルダーと「思われる」Musikaレーベル、及びChrisyeに問い合わせをした。しかし最終的にハッキリした返答は得られなかった。
まず当事者の一人であるChrisyeは癌で体調を崩している最中でどう考えてもそれどころでは無いはず。2002年の再発延期のように当事者間の調整も容易ではないのでしょう。 またMusikaはGuruh Gipsyを含むChrisyeの作品の権利を持っているとなっていますが、当時このアルバムを出したのはMusikaではなくPramaqua、すなわちRadio PramborsPT.Aquarius Musikindoの共同レーベル。となればレーベルとしてはAquariusに権利がある、というのが妥当に思えるのですが・・・。現にGodblessの1stやYockieの「Jurag Pemisah」はAquariusから定期的に再発されています。もう少しインドネシアサイドがしっかり対応できていれば、と言う思いも無いわけではありませんが、仮に正規再発となっても爆発的な売り上げなどありえないでしょうから、もしかしたらこのままずるずると行ってCD再発もShadoks、というパターンになるのかもしれません。

まあ気長に待つ事としましょう。


拙BLOG関連記事
⇒GURUH GIPSY関連(映画GARASIについて)
⇒GURUH GIPSYたった1日の再編

拙WEBのふる~い書き物。直さなきゃ(汗)
⇒GURUH GIPSY
⇒Chrisyeとその周辺
⇒NASUTION兄弟周辺
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