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再びSimak Dialog ~Kain Sigliについて~

2006. . 13
5月に書いたSimak Dialogの"Patahan"(=断層) についてもう一言。
私が感情移入過多なのは相変わらずで、ココに書いていることもそれなりに割り引いてもらっても構わないのですが(笑)、作品の背景に対する多少の理解があればよりイマジナティヴな聴き方が可能と思いますし、ソレを黙っておく手はない。 なのでこれからこの作品を聴く方がいるとして、少しでも鑑賞の助けになればと思い、もう少し書いてみます。蛇足かもしれませんが・・・。

***


実際この作品は第一印象が地味な故、ともすれば単に平均的な「耽美派エレクトリックジャズ」と 捉えられる可能性もありますし、そうした印象を否定する理由は何処にもありません。 例のサイトのGelardさんも「特にサプライズも無く進んでゆく」とコメントしていますが、 エンディングの"Kain Sigli"については只ならぬ雰囲気を感じられた様ですね。
私自身この作品の最大の山は"Kain Sigli"以外の何物でもなく、この曲をどう捉えるかによってアルバム全体の印象が大きく変わると 思います。「なんとなくドラマチック」で終わらせるにはあまりにももったいないと言うか。

一聴すればわかるようにこの曲は歌詞を持っています。 Nirwan Dewantoという作家によって書かれたこの詩は 長年の独立闘争と未曾有の災害によって壊滅的な痛手を 負ったアチェの悲しみを極めて端的に表現していると 言えそうです。

で、以下に非常に拙いモノではありますが、和訳を試みてみます。
(誤り等ありましたら遠慮なくご指摘願います)

***


    "Kain Sigli~シグリの布"

    Kain Sigli, kain jahitan bundaku-
    シグリの布 母の縫った布
    kukenakan jika aku pergi ke dunia.
    私が世に行く時に触れる布
    Kain dengan rupa laut rupa benua-
    海の、陸のかたちの布
    milikmu jua jika kau ingat namaku.
    私の名前を憶えていても尚貴方のもの


    Kain Sigli, kain yang meninggi juga
    シグリの布、そしてそびえ立つ布
    jika serdadu melintas di depan pintu.
    兵士が扉の前を通り過ぎるのならば


    Kain bundaku, kain yang bisa luka
    母の布、傷つく布
    jika senjata berseru di Meureudu.
    ムルドゥで武器が請われるのなら


    Siapa meneteskan darah ke kain Sigli?
    誰がシグリの布に血を落とすのか?
    Siapa mencuci kainku dengan airmata?
    誰が私の布を涙で洗うのか?
    Kain ini akan tumbuh jika aku mati-
    この布は私が死ぬ時に花開く
    kain bundaku akan seluas negeri.
    そして母の布は国土の大きさになるでしょう


    Tanamlah benang ke kain Sigli
    シグリの布に糸を通しましょう
    demi baju terindah untuk anakmu.
    貴方の子供にとって最も美しい着物となるように


    Peliharalah tangan bunda kami
    私達の母の手を慈しみましょう
    agar kain kami benarlah kainmu.
    私達の布が本当に貴方の布となるように


    Kain yang memelukku sepanjang gempa-
    私を包む揺らぎの長さの布
    kain yang gemilang sepanjang duka-
    悲しみの様に美しい布


    kini sebentar terluka, kain Sigli
    この束の間に傷ついたシグリの布を
    akan kujahit lagi, kujahit tak henti.
    私はまた縫い続ける 止むことなく




    ***



    ソースはコチラ↓↓↓
    http://www.wartajazz.com/news/news090405.html

    *シグリ(Sigli):アチェ州ピディ県の中心地。所謂スマトラ沖大地震ではバンダ・アチェ、ムラボと並んで被害の大きかった地区。

    *ムルドゥ(Meureudu):ピディ県に隣接する都市。インド文化の影響が濃いようです。


ヴォーカルを担当したUbietは、パダン人の母とアチェ人の父の間に生まれ、アチェで成長。アチェ人としてのアイデンティティーを強く持つ人であり、件の津波災害では何人かの親族を亡くしたそうです。

そのUbietが歌う上記の歌詞。
エンディングの"akan ku jahit lagi, ...kujahit tak henti.."の くだりはあまりに痛々しい。



人の手によって、また大自然の力によって 傷つけられた心と体、そして傷つけられた大地。
再生への願いであろう「Jahit=縫う」という言葉にこめられた思いはどれほどのものなのか。



もしこの曲を聴く機会があるのなら、そうした背景に思いを馳せてみることをお奨めします。



・・・・訳あっているかな~(汗)

Kain Sigli (part1)


Kain Sigli (part2)


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