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KRAKATAU 新譜

2006. . 08
KrakatauとSimak Dialogの新作、OST"Berbagi Suami"等、興味深いアイテムが到着したので順にレヴューしていこうと思います。

まずKRAKATAU(クラカタウ)。6年ぶり、待望の新作。2005年8月リリースのはずが2006年2月と大分遅れましたが、予定通りライヴ盤とスタヂオ盤の同時発売。2作とも素晴らしい出来栄えです。

ガムラン・フュージョンの確立者として唯一無比の存在である彼ら、前作の"Magical Match"ジャズロック的グルーヴと庶民性を兼ね備えた極彩色のサウンドで「エスノ・ポップの傑作」の賞賛を欲しいままにしましたが、今回の2作はそうしたポップさが消え、よりアグレッシヴ且つシリアスな作風になっています。元々ライヴにおいてはアグレッシヴさが身上でしたが、ヴォーカリストTrie Utamiの脱退がこうした傾向に拍車をかけたのかもしれません。 (Trie Utamiの脱退についてはこちら→記事)
グループは急遽代役にアチェのヴォーカリストUBIETを起用してワールドツアーに出発します。UBIETはパーマネント・メンバーではなく、あくまでヘルプ的な立場のようですが、ソロイストとしても十二分な力を持つ彼女、部分的にせよ貢献度はかなり高いものになっています。UBIETの凄さについては1999年のソロアルバム「Archipelagongs」に収録の"Gates of Puya"を聴いた方なら御存知と思いますが民俗音楽学で博士号を取得する等、学究肌のイメージも強く、Trie Utamiの単なる「代役」に納まる筈もありません。Trie Utamiがジャズ‐ポップ‐民謡までの幅広いジャンルをカヴァーできる秀逸な「シンガー」且つ卓越した踊り手であったとすれば、UBIETは通常の歌唱からヴォーカリゼーションまでと、前者とは全く違うベクトルの幅広さを持つ「インストゥルメンタリストとしてのヴォーカリスト」というべきでしょう。 で、この交代劇、よりシリアスな傾向を期待していたヒトには予想通り完全に「吉」です。

***

    KRAKATAU “Rhythm of Reformation” Musikita 番号無
    非常に冒険的かつ異色のアルバム。"Percussion Pieces"のサブタイトル通り、全編に渡り殆ど打楽器オンリー(ボナン、リンディック等含む)の演奏で、DwikiもPraもキーボード/ベースに手を出さず打楽器演奏に徹している。怒涛の様なパーカッション群のうねりの中、メロディーらしきものを生むのはスリン、ルバッブ、チャルメラ、声のみ。
    人力ビートと打ち込みを利用した曲がバランスよく折半しており、どちらも捨て難いが、個人的に惹かれるのは打ち込み系。特にM4は圧巻。闇へ吸い込まれるような脅迫的なリズムの波と荘厳なコーラス。スンダのトラディショナル・ソングながらアヴァンギャルド・チューンと捉えても違和感がないほど。個人的には何となく Z'ev を連想してしまった。M9はメカニカルとも言えるパターン・ループがグー。またアチェのトラッドであるM3はUBIETの乾いたヴォーカルがコンテンポラリー的な雰囲気を醸し出しており、これまた興味深い。
    全体的の作風は「アヴァンギャルド寄りの民俗音楽」という印象。もしかしたらエレクトロ系のリスナー対応かも。アグレッシヴかつストイックであり、聴く側にもある程度の覚悟を必要とするが、彼らがこのような作品を出したことは称賛されるべきと思う。今後もガンガンやって欲しい。


***

    KRAKATAU “2Worlds” Musikita 番号無
    カナダ、合衆国、ジャカルタ公演での実況録音。"ライヴバンド"クラカタウの真骨頂を堪能できる。全曲ゲストを交えたジャム/インプロヴィゼーションで、より硬派なエレクトリック・ジャズの色合いが濃い。前作の華やかなエスノポップとは対極にあり、ジャズとガムラン等の伝統音楽は「融合」というより、極自然に共存している印象。これはTrie Utamiの脱退に加え、ゲスト交えていることから、ある程度コンセプトの縛りを緩くせざるを得なかった為、と想像されるが、その分演奏面では充実、スリリングでグルーヴィーな演奏はカッコイイの一言に尽きる。
    個人的に嬉しいかったのが「イタリアの梅津さん」(笑)ことCarlo Actis Datoとの共演。正直ここまで相性が良いとは思わなかった。
    一方で残念な点もある。大半の曲が短めでフェードアウトとなってしまう為、どうにも食い足りない印象を残してしまうのだ。これは非常に惜しい。ただそうした点を差しひいても尚、エスノジャズの佳作であることは間違い無い。一聴の価値は十分にある。


***

-Krakatau オフィシャルサイト http://www.krakatau.net/
(拙Web内日本語駄文) 

‐Carlo Actis Dato オフィシャルサイト http://www.actisdato.it/
(拙WEB内駄文)

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Indonesia の Krakatau の新譜が二枚出ているようですね.ライブ
2006.05.10 13:22 Ten-forward Music Blog
6年ぶりの新譜で2アルバム同時リリースの一枚,とのこと.ライブ盤. コンテンポラ
2006.06.06 18:08 Ten-forward Music Blog
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