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"Janji Joni"とIndonesian Indies(7) -End-

2006. . 16
OST”Janji Joni"はジャカルタ•アンダーグラウンドが極めて雑多で創造性に富んでいる事、また大多数とはいえないまでもそれを受容するリスナーが十分育っている事を証明したといえるでしょう。
同時にレーベルとしてのAksaraの成功はアーティストサイドにとっても朗報だったのではないでしょうか。全国規模での国民的人気を得ようとするならともかく、メジャーが要求する幾多の制約を受けずに作品を表舞台で発表でき、リスナーにも容易に届く。発信する側も受容する側も、自分達にとって旬な音楽を楽しむ為にメジャーの営業部長殿の駄目出しとゴーサインを待つ必要などありません。その意味でAksaraは正に旬の音を映す鏡と言えます。

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    V.A. “JKT MOVEMENT2005.” Aks007
    DJ達によるリミックスと広義のエレクトロニカ、その中でも特にフロア物にフォーカスを当てた2枚組コンピ。1枚目が主にダウンテンポ~チルアウト系、2枚目が主にアップテンポ~ダンスもの。ライナーノーツによれば元々はジャカルタ・エレクトロの先駆者MEDIA DISTORSI に強い印象を受けたのがこの企画の発端とか。ご多聞に漏れずインドネシアのアングラシーンにもDJ/テクノ/トランスの波は着々と浸透しており、それなりの発展を見ているようだが、それこそフロアという「場の音楽」の性格上、前述のMEDIA DISTORSIが出てくるまではCD/録音メディアという形にはなりにくかったのかも知れない。 正直このジャンルに疎いのでクオリティーについては判断できないのだけど、どの曲も丁寧に仕上げられていて十分楽しめるレベルにある事は確か。クルマやヘッドホンで聴く分にはかなりいい感じだと思う。例えが悪いが、少なくともトルコのアルキン・アレンよりは面白い。まあマシン頼りのこの手の音楽はほっといても「それなりのもの」が出来てしまうのも事実ですが・・・・。
    DJ達のリミックスも結構面白いが、印象に残るのはやはりMedia Distorsi、Ape on the Roof、Goodnight ElectricなどのJanji Joni参加組。特にApe on the Roofのクールさ, Goodnight Electricの軽薄さは群を抜いて面白い。 バンドゥン・FFWDのエレクトロ•ユニットHOMOGENICも参加している。 因みにJAKARTA MOVEMENTは独自のURLを持つ。コチラ↓
    http://www.jakartamovement.com/2005/mainpage.htm
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さて「その4」においてLAINというグループを重要なバンドとして 位置づけましたが、既に注意深くウォッチされている方は、Aghi, Iman, Bemby, Zeke(Khaseli)という面々が興味深い仕事を手がけているのは周知の事と思います。 既述のようにBembyがドラムを担当するSORE、Aghiの別プロジェクトApe on the Roof(CD出せよ~~)、Zeke とImanのZeke&The Popoなど、極めて高水準且つ挑戦的な表現姿勢を持っているのは特筆に値します。因みに上記のJakarta Movementのミックスと監修を行ったのもAghi Narottama。
直近の情報では、「Arisan!」のNia Dinataの最新映画「Berbagi Suami」のOSTをAghi NarottamaがBemby GustiとSoreのRamondo Gascaroと共に担当。トレイラーを見る限りではかなり期待が持てそうです。またポストロック~サイケデリック色の強いZeke&Popoは現在レコーディング中で2006年の半ばには作品を発表する予定。

そしてZekeを除くLainの3人が全面的にバックアップしたのがTIKAのデビュー作「Frozen Love Songs」。トリップホップから微妙にジャズに逸脱する様は、彼らの才能の豊かさと抽斗の多さを思い知らされる好サンプルと思います。

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    TIKA “Defrosted Love Songs” Aksara Aks009
    上記Frozen Love Songsにヴィデオクリップを加えた豪華盤がこのDefrosted Love Songs。 ソプラノ歌手Pranawengrum Katamsiの孫にしてELPAMASやKantata Revolvereでおなじみのロック•ヴォーカリスト、Doddy Katamsiの姪。叔母のAning Katamsiもやはり声楽家、と音楽一家に生まれたTIKA=Kartika Jahjaは自身も声楽を目指していたが挫折。死ぬ前に本当にやりたい事を考えた末に辿り着いたのがこの作品。 アクサラのWebにも書いてあるように 気だるくダークな作風は表面的にはPortisheadに。 近い部分も目立つが、どことなくレトロジャズの匂いを感じさせるのは、Nina Simoneをフェイヴァリットに挙げる嗜好故か。記述のLAIN組による音作りはかなりアヴァンギャルドな場面も垣間見せて小気味良い。 楽曲としては中盤の”My Late Ego”が出色の出来。最後のPee Wee Kingのカヴァーもなんとも良い感じ。 Tika自身による詞はほとんどが英語。


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ジャンルを問わず面白い音楽ならばなんでもありの様相を見せるAksaraの作品群。 今現在も興味深いプロジェクトが色々と進行中のようです。
まず一つがニューウェーヴジャズのコンピレーション作成のプロジェクト。情報のみで音は確認していないのですが、 実はこの企画、Simak Dialogを率いるキーボーダーRiza Arshadが参画しています。2006年3月に開催されたJava Jazz Festival においては既に同コンセプトの企画のお披露目ステージを行った模様。アントニオ•カルロス•ジョビンから耽美なエレクトリック•ジャズまでこなすRiza Arshadはインドネシアのジャズシーンにおいては「広義」「狭義」両方の意味において最も「プログレッシヴ」なミュージシャンであり、個人的にも大ファンなので非常に楽しみです。

もう一つ面白い情報としてGoodnight Electricが来日するという話があります。既にJtBレコードから日本盤がリリースされている彼ら、実現すればどのようなりアクションを引き起こすか興味深いところ。詳細がわかり次第改めて告知したいと思います。


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・・・とまあ、OST「Janji Joni」を軸にバンドゥン~ジャカルタのインディー・シーンを時系列で追ってみたつもりですが、ホントに辛うじて「あぶりだした」という感じで、まだまだ推測の部分も多く、漸くぼんやり様子が見えてきたところです。 勿論ユニークなインディーズ・ムーヴメントというのはAksara周辺の面々に限りませんし、またジャカルタとバンドゥンだけで興っている訳でもありません。 例えばBaliでも先ごろSonyからメジャーデヴューしたNaviculaを中心とする動きが90年代半ばからあり、パンク・バンドSuperman Is Deadは全国規模で人気があるのも周知の通り。 またソロやジョグジャでもNapalm Death/ボアダムス風と称されるMortal CombatやSonic Youth風のSeek Sick Six 他色々な バンドが出てきているようです。ジャンル的にもスカやメタル~ハードコアシーンの活発な動きも無視できないでしょう。ただ不本意ながらそちらまでは手が回りきらん、というのが正直なところ。
・・・、なのでどなたかそっち方面の状況、紹介して下さいませんかー(笑)。
それから既述の内容についてもより詳しくご存じの方がおられましたら情報を頂けると嬉しいです。ご指摘、訂正なども大歓迎ですので、どうかご遠慮なく(笑)。・・・・あ、感想も。良かったら。
またその場その場で調べながら書いたもので表現も統一感に欠けてわかりにくい部分も多いと思います。随時直していきたいと思いますのでご容赦下さい。

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というわけで、ダラダラ書いてきたこのシリーズ、ひとまずこれにて完了とさせていただきます。追加情報については勿論逐次アップする予定。


以下、あとがきみたいなかんじで。

え~、そもそもこんなことを書こう思ったのはZEKE & THE POPOというユニットに関する情報を得てから。実は彼ら、プログレ団体IPSが主催する企画「Progressive Night」に出演して反響をよび、件のプログレ・メーリングリストでも話題になりました。で興味を覚え色々紐解いてゆくうちに、大分前に手に入れたLAINに突き当たったり、「Janji Joni」に突き当たったり、 更にメンバーのImanがあのDonny Fattahの息子だったり・・・と、どんどんミッシング・リンクが繋がって行った。
加えて何よりもAKSARAのミュージシャン達の余りのレベルの高さが今までの「インディーズ」とは一線を画すものであったことが一番でしょう。
インドネシア(+アジア)のインディーズについては小野慎一郎さんのIndie Pop Noodleという優れたエッセイが既にあり、刺激を受けると同時に、随分と参考にさせていただきました。また、常に情報源とさせていただいているWarung Kopiに集うKさん@Bandung他色々な方々にも感謝。
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