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【ルリー・シャバラ来日】「SENYAWA-デュオの長い道のり」-インドネシア・コンパス紙(2015年1月8日

2015. . 23
内橋和久をはじめ、日本および世界中のアヴァンギャルド系ミュージシャンとの共演で飛ぶ鳥を落とす勢いのデュオ、「スニャワ(センヤワ)」。デュオとしては昨年8~9月、今年5月と、既に2回の来日を果たしていますが、今回はRully Shabara単身で来日。 現状判っている所では、8月28日~29日のヴォイスパフォーマンス・ワークショップ、8月30日に行われる大友良英主催の「アンサンブルズ東京」への出演、9月2日新宿PIT INNでの大友良英とのコラボーレーション。その後はロンドンに飛んでSENYAWAとして公演の予定。

8月28日~29日アンサンブルズ東京 ルリー・シャバラ ヴォイスパフォーマンスワークショップ
28日 東京芸術劇場 リハーサルルームM2(東京都豊島区西池袋1-8-1)
29日 入谷 なってるハウス(東京都台東区松が谷4-1-8 1F)
http://etokyovoicews.peatix.com/

8月30日アンサンブルズ東京
東京駅前丸の内側 行幸通り
http://www.ensembles.tokyo/

9月2日アンサンブルズ・アジア番外編「大友良英+ルリー・シャバラ」
新宿Pit Inn 
http://bit.ly/1DXDEqf



前回・前々回の来日で日本の錚々たる面子と共演し、「その筋」では知名度も高いものと思われますが、本国・マスレベルで脚光を浴びにくいのはこの手の音楽家の宿命。
とはいえ、世界中を飛び回る彼らの存在感は無視できるものでは無くなって来たのでしょうか。インドネシアの大手紙であるコンパスに今年の初めに彼らの記事が載ったので今更ながら翻訳してみます。というか、実は手強い単語が並んでたので今まで放置してました(汗) 記事は前回紹介したMoonJune/Leo Pavcovic氏について執筆iのヘルランバン・ジャヌアルディ氏。文章置き換え、最低限の省略と意訳を行っています。


****

「スニャワ-デュオの長い道のり」
2015年1月8日付コンパス紙16面

"SENYAWA、それは日常の道具が発する音、そしてバリトンヴォイスのファルセットによる音響実験のデュオのことだ。即興演奏の限界を超えるために彼らは(独自の)音響楽器を用い、その音楽を知らしめる為、アジア、ヨーロッパを渡り歩いた。その数は同世代の音楽家よりもはるかに多い。"

昨12月第3週の一週間、ルリー・シャバラ・ヘルマンとウキール・スルヤディからなるデュオはジャワの5都市、即ちジョグジャカルタ、ソロ、マラン、プルウォコルト、ジャカルタを巡るツアーを行った。この時彼らには3組の海外ミュージシャン、即ちホース・マクガイヴァー(Horse Macgyver)、リュック・ペンド(Luc Pendeaux)、スキーヴ(Szkieve)が同行、ツアーの最終地であるジャカルタ、クマン地区のレストラン、Tokove では外国人を含む50人のオーディエンスを集めた。「オーディエンスの反響が最も凄かったのはマランだった。もうこんな感じ」とルリーは飛び跳ねるオーディエンスを手を振り回しながら表現する。

「スニャワ」は当初、ルリーとウキールのデュオアルバム(YESNO 051 2010年)のタイトルに過ぎなかったが、頻繁にライヴを重ねる内に二人の連帯のアイデンティティーとなっていった。スニャワは二人の人格から新たに生まれた「命(スニャワ)」を象徴するものとなった。(訳注:Senyawa=調合の意味もあり)。

5都市をめぐるツアーはVolcanic Wind Prjectと称され、費用は出演の4者で分担。各地のライヴは地元の若者たちにより企画され、又移動にはワゴン車と2等列車を用いたため一人当たりの費用は250万ルピア(約2万円)以下に抑えられたとルリーは言う。

この小さなツアー、Senyawaにとっては、彼らなりの「借りを返す」事なのだ。2010年の結成以来、彼らは国内よりも海外を主要な活動の場としており、今回の国内ツアーは2011年、即ち米国シアトルのミュージシャンArrington De Dyonisoとジャワ島5都市を廻ったツアー以来、漸く2度目となる。 「本当はもっと沢山の(国内の)場所でやりたいんだけど、地理的条件から難しいんだよ。機材を運ぶのが難しいところが幾つもある。」自分が生まれたスラウェシへのツアーを望んでいるルリーはそう語る。

ツアー
最初のアルバムをだして一年も経たないうちに彼らはオーストラリアでのツアーを行った。メルボルン・ジャズ・フェスティヴァルから始まったこのツアー「ダ-ウィン以外の殆どの大都市を廻ったよ」とルリーは言う。 このツアーは彼らのマネージャを買って出たクリスティー・モンフリーズの協力で実現した。所謂「ワールド・ミュージック」の音楽家達と多くのコネを持つクリスティーは2011年2月、ジョグジャカルタでの彼らのライヴを見て魅せられたという。 件の2011年のメルボルン・ジャズ・フェスティバルでは、実験音楽の世界では著名な二つのグループ即ちファウストとルインズの間に出演時間が与えられた。ルリーにとってのアイドルである2グループに挟まれた出演は決して偶然ではない。 クリスティーはこれに飽き足らず、地元で有名なロックバンドRegurgitatorと12都市をめぐるツアーを敢行した。Regurgitatorの人気は豪州の音楽ファンの関心をスニャワに向けさせ、コンサートチケットはどこも売り切れとなった。 この豪州ツアーがきっかけとなり、彼らの国際的な音楽フェス進出への道が開けることになる。この後彼らはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、フランス等の欧州各国でライヴを行う。更に2年前には日本の8都市を巡り9回の公演、2014年は年間を通し欧州7ヶ国32都市で計45日間のライヴを行った。 海外ツアーの費用は全て招聘者による負担だ。つまり彼らはプロとしての対価を得る。彼らは単に出演料だけではなく、むしろその作品に対して対価を得ているのだ。

彼らはまた自分達の「アイドル」達とレコーディングするチャンスを得る。日本公演で共演を申し出た実験音楽のマエストロ内橋和久は、その後日本向けのアルバムを製作する為、ジョグジャカルタを訪れた。また彼らはその他の「アイドル」達、即ち田中悠美子、灰野敬二との競演も果たす。 又今年(2015年)はMr.Bungleのターンテーブル奏者(訳注:というか客演ですね)David Sheaとレーコーディングの予定だ。

枠組みの外
スニャワはコンテンポラリーの文脈で認識されている。つまり人気が担保されるようなポップスやロックとは別の位置に存在する。「別に音楽ってポップスやロックだけじゃないでしょ?そういう枠組みの外側にも音楽は無きゃ駄目だ」ルリーは語る。 YES NO WAVE MUSIKの創設者であるウォト・ウィボウォ、通称「ウォク・ザ・ロック」はルリーとウキールを出会わせたキーパースンだ。スニャワの歩みで触れたように、ウォクは2010年5月8日のとあるイヴェントで、ルリーにウキールとの共演を当たり前のことの様に促した。 結果二人の相性はバッチリ、その2ヵ月後、ルリーは共演作のレコーディングを行うことをウォクに伝える。

ルリーの声の歪みは自身のバンドZooでも用いている伝統音楽の作法をモデルとしている。彼は囁き、唸り、叫び、歌、喚きを特殊なヴォーカル技法で行う。そのユニークなヴォーカルは90年代に活躍したロックバンド、フェイス・ノー・モアのマイク・パットンを連想させる。

ウキールは楽器演奏担当だ。彼は約1メートル長の竹を用いた楽器を自ら考案した。その楽器は竹の周りに12本の弦とギターのピックアップを取り付けたもので「バンブーウキール」の名を与えられている。ウキールはその楽器を指で、あるいはヴァイオリンの弓でこすり、はじき、叩き、かき鳴らす。発せられる音はメロディアスでありながらリズミックでもある。もう一つの新考案の楽器が「ソレット」だ。キャラメル攪拌用のスプーン、自転車のスポークを転用した3本の弦、そして音をねじ曲げる為のスプリングから成る。この楽器は前述のバンブーウキールより更に重い音を奏でることが出来る。これらの楽器は操作ペダルやエフェクターと接続されており、その場でリフのループを生成しながら更に音を重ねられるようになっている。 所謂「普通の楽器」で満足できないウキールにとって、音楽実験のための楽器の製作はごく当たり前の事だ。彼は若い頃からトタン板や石、おはじきを用いて音楽制作を行ってきた。ウキールは語る。「劇伴から始まったんだけれども、自分の"音"の源泉をずっと探してたんだ。」その後、彼は農具を用いた試行錯誤、例えば巨大な鍬を利用した楽器の製作を行った。彼にとってその実験は彼の出身地である東ジャワ、バトゥ市の文化の解釈でもある。その後たどり着いた竹の利用は彼の実験に大きな可能性もたらした。

スニャワの音楽はもちろん日常楽しむ音楽ではない。しかし二人にとって、それは新しい人生である。特にルリーは定職であった外資企業の通訳を退職し、スニャワにその人生をかけている。この1月、かれらは豪州タスマニアで開催されるモナ・フォナ・フェスティヴァルに出演の後、ベルリンのCTMフェスティヴァルにも出演予定となっている。彼らは正に我国の現代芸術の大使なのだ。


原文:ヘルランバン・ジャルアルディ
掲載KOMPAS 8 January 2015 第16面


TPAM ルリー・シャバラ・インタヴュー(日本語)




12月のツアーでの共演者

Horse Macgyver


Luc Pendeaux


Szkieve - Indonesia Java tour December 2014


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