■National Health (S/T)
(1978 UK)
同系統の音が好きなのに何故Hatfieldを好きになれないかというと、リズム隊が脚気病んでるみたいだから。
National Healthではこれが改善されるどころか、貧乏揺すりみたいに落ち着きがない。世間的にはいざ知らず、このパイル&マーレイのコンビは数あるドラム&ベースのコンビの中でも最も好きな組み合わせです。因みにBill Brufford参加のライブ音源も聞いてみましたが、グルーヴの欠片も無く、ビートが仁王立ちしている様でした。アルバムのゴチャゴチャした音像はとっつきにくいですが、慣れると病み付きになります。
■Picchio Dal Pozzo "Abbiamo Tutti I Suoi Problemi"(1980 Italy)
最初に聴いた時は意味不明の不協和音の塊にしか聞こえず、どうやって聴いたらよいかさっぱり判らず。それでも繰り返し聴いていたのは何か惹かれるものがあったわけで。最終的には自在に脳内再生できるようになりました。機械仕掛けの迷路のようで何処と無くユーモラス。スガルジャンツァPart1 は携帯のリングトーンにしたいくらい。
■The Work "Slow Crimes"
(1982 UK) これもプログレかって言うと微妙な感じで寧ろポストパンク。スタイル的にはビーフハートもどきですが、時代もあってかこの攻撃性と殺伐感はベクトルが違うかと。手法的にはもっとユニークで、結構発見させられることも多し。MassacreにせよArtBearsにせよThe Workにせよ、HenryCowに内包された色んな手法・思想を換骨奪胎したヴァリアントという点では「プログレ」と形容できるし、又換骨奪胎故にプログレとは違う次元に移行しているというか。時代時代の先鋭的な音楽を追う上では外せないでしょうし、今尚面白い音楽だと思います。
■Tipographica "God says I can't dance!"
(1996 日本)
90年代中期、日本のこの手の音楽が世界の先頭集団に入った、と思わせたグループ。勿論これはティポに限った話ではなくて、ホントに優れたアングラバンドが幾つも出てきてシーンが急速に充実していった感がありました。本人たちは全くプログレのつもりでないのかも知れんけれど。
■Univers Zero "Ceux Du Dehors"
(1981 Belgium) Art Zoydと並ぶチェンバーロックの実質的始祖。恐らく日本に入荷されたばかりの頃、某レコード店にあのジャケットが面出しされていて、それだけでも存在感あったのに、聴いてみたら高速で疾走する管弦楽だったわけで、シンフォ主体に聴いていた耳には衝撃的でした。
■U Totem "Strange Atractor"(1994 USA)
ヘンリーカウ・タイプの音楽を「おしゃれ」といって良いほどにスタイリッシュにした作品で、チェンバーロックのシリアスさを持ちつつも極めて軽快。聴いた当時は目から鱗。日本のポップイメージを巧みに織り込んでいるのも面白くて、何度聴いたことか。このあたりの米国RIO系って、なんとなく忘れられちゃっているような気がするんだけれど・・・。
■Yes "Close to the Edge"(1971 UK)
スタンダード過ぎてアレですが、今でもその独自性は色あせてないと思うのですよ。このアルバムは特に。バラバラのパートを繋げてったら、こんな異様なものになってしまい、作った本人たちも「なんじゃこりゃ」とか思ってたんじゃないかと、つい想像します。